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取扱説明書
製品概要
近年様々なモノをインターネットに接続してサービスの高度化を図るモノのインターネット「IoT」が注目されており、IoT サービスを実現するための様々な開発や実験が、企業はもちろん個人でも行われています。その IoT 装置を実現する中核部品として、WiFi が標準装備されたESP-WROOM-02D が注目されています。
ESP8266-KEY-R2 は ESP-WROOM-02D を利用した IoT 機器の開発や実験を、ブレッドボード上で手軽に行うための「キー」モジュールとして開発されました。ESP8266-KEY-R2 はArduino の基本機能を一通り習得し、無線 LAN 機能を活用した応用に取り組みたい人に最適な開発ボードです。
ESP8266-KEY-R2 は以下のような特徴を持っています。
- ESP-WROOM-02(ESP8266) の D バージョンの 4M 版を搭載しています。
- 高性能の 32 ビットマイクロプロセッサを搭載しており、Arduino UNO R3 などと比較して高速な処理が行えるとともに、大容量の FLASH と RAM を利用を利用できます。
- ネットワークに接続するための WiFi ネットワーク機能を利用できます。
- 電子工作で広く利用されている Arduino などの無償、便利、高機能な開発環境を利用してソフトウェアを開発できます。
- Arduino IDE で作成したスケッチを書き込むための USB インターフェースを装備しています。
- ドロップアウトが 340mV と少ない 500mA の電圧レギュレータを搭載し、ESP-WROOM02D に安定した電源を供給可能です。
- ESP-WROOM-02D の信号線がピンヘッダーを取り付け可能な端子列に引き出されており、ブレッドボードに挿して利用できます。
- 端子列の幅はブレッドボードを最大限に活用できるよう狭く設計されています。
- 様々な情報を表示できる OLED ディスプレイ (別売) を搭載することができます。
ESP8266-KEY-R2 の特徴
USB インターフェース
Arduino IDE で作成したスケッチを ESP-WROOM-02D に書き込むために、USB インターフェース (microB) を備えています。
USB インターフェースは以下のような目的で使用されます。
- ESP8266-KEY-R2 への電力供給。
- USB からは 5V の電力が供給され、ESP8266-KEY-R2 では、基板上の電圧レギュレータで 3.3V に変換され使用されます。
- ESP8266-KEY-R2 へのスケッチ(プログラム) の書き込み。
- スケッチの書き込み時や、USB を介した受信時には、赤色の LED2(RX)が点滅します。
- ESP8266-KEY-R2 と PC 間のシリアル通信。
電圧レギュレータ
ESP-WROOM-02D は無線機能の利用時に 200mA 程度の電流を消費します。さらに、瞬間的ではありますが、突入電流としてより多くの電流を消費することもあるようです。ESP8266-KEY-R2 で利用している電圧レギュレータ SPX3819 は、少なくとも 500mA 以上の電流を供給できますので ESP-WROOM-02D を余裕をもって稼働させることができます。
また、SPX3819 の入力電圧から出力電圧のドロップダウンは 340mV 程度で、USB から電力を取得する場合、ショットキーダイオードの順方向電圧降下と合わせると電圧低下は 0.8V 程度となります。ESP-WROOM-02D が瞬間的に大きな電流を必要としている際に、USB からの供給電圧が定格の 5V をある程度下回っても、安定した電圧を維持することができます。
ブレッドボードの利用
ESP8266-KEY-R2 の2列の信号の引き出し端子は、ブレッドボードの部品配置領域を最大限に利用できるように、狭い間隔で配置されています。他の ESP-WROOM-02D 開発ボードでは部品の配置が難しかった一般的なブレッドボードでも、ESP8266-KEY-R2 では図に示すように余裕をもって部品を配置し利用することができます。
OLED ディスプレイ
ESP8266-KEY-R2 には OLED ディスプレイの接続端子が装備されているため、図 に示すように OLED を基板に搭載して手軽に使用することができます。
OLED ディスプレイは、128x64 ドットのグラフィックディスプレイになっており、ボードの稼働状態や利用者に伝えたい情報を、画像や文字で分かり易く表示できるようになります。
ネット上などで公開されている ESP-WROOM-02D のサンプルスケッチでは、IP アドレスや様々な情報をシリアルモニタに表示する例が多いですが、実際の運用では ESP-WROOM-02D をPC に接続して使用することは少ないため、運用時に必要な情報を確認することができないという
問題があります。
ESP8266-KEY-R2 では、面倒な配線等を行うことなく開発ボード上に OLED ディスプレイを搭載できるため、PC と切り離して単独で運用している場合でも、様々な情報を OLED に表示し確認することができます。